フォニックス〈発音〉トレーニングBOOK
日本人は小さいころから英語を学んでいるのに英語が苦手、というか実際に英語を使う場面で英語が使えない、というのはよく言われていることだが、その理由の一つに「正しい発音ができないから恥ずかしい」というのがある。
確かに英語の発音は中学校の授業でもあまりちゃんと習わないからフィーリングになりがちだし、それだとネイティブと同じ発音は絶対にできない。
フォニックスとは、英語を母国語とする子供たちが学ぶつづり字と発音の関係を示したルールである。本書の著者のジュミック今井さんは日本人がフォニックスを学ぶことで発音矯正ができるといっている。
発音矯正ができれば、英語を話すことの抵抗の一つ「ネイティブに笑われてしまうような発音しかできない」という部分が解消され、英会話が上達する、というのだ。
本書は、英会話の基本である発音に立ち戻って、フォニックスによる発音の練習&訓練を行うことでカタカナ発音から脱却し、英会話に対する苦手意識を軽減するための本である。
本書の構成は、まず子音、母音の一字ずつの発音を確認したうえで、組み合わせによる特殊な発音、例外を学ぶという形になっている。
中学、高校、大学で英語をずっと学んできた方にとっては、一字一字の発音を地道にひとつづつ確認していくなんて今更できるか!と思う方があるかもしれない。
が、やってみるとこれが結構ためになる。
自分がこれまでちゃんとした発音を学んでこなかったからかもしれないが、今まで日本語的な口の使い方で適当に発音していた単語の発音が実は全然違っていた、なんていうことが多々あり、やっていてつまらないとは全然思わなかった。
本書には発音練習のためのCDもついているため、シャドーイングをしながら、自分の発音が正しいかどうかを確認することができる。
本書を一通りやるとそれっぽい英語が喋れるようになっている気がするので、あとはそれを英会話教室なりなんなりで実践して、ネイティブ相手でも英会話に気後れしない自信をつけるとよいと思う。
★こんな人に読んで欲しい
・英会話できるようになりたい人
・英語で何かを伝えないといけない仕事の人
実際問題として、英会話をしなければならない状況に放り込まれると日本人は意外と英会話ができるようになるものらしい。
それはそうだと思うが、それでなんとかなるのは会話の時であって、プレゼン等こちらから伝えるために英語を使う状況になった時には、英会話ができるというところから一歩進んで、伝わりやすい英語を話す必要があると思う。
自分の英語を伝えたい、という人でちゃんと発音を学んだ経験がない人には、読む価値のある一冊だろう。