アンディー・マレーの”開戦” テニスIQで勝負に挑む
ナダルファンの自分としてはナダルの欠場しているウィンブルドンは割とどうでもいいのですが、せっかくジョコが消えたんだから決勝はマレーVSフェデラーで、マレーがポイント上積みしてジョコに接近するか、はたまたフェデラーが芝の王者の強さを見せつけるか、っていう試合を見たいですね。
さて、今回の記事はそんなアンディ・マレーの本です。
BIG4の中では一番地味な彼ですが(失礼)、BIG4の中で日本語版の本が出ていないのは意外にもフェデラーなんですよね。
8月に『ロジャー・フェデラー伝』が『ノバク・ジョコビッチ伝』を出版した実業之日本社から出版されるみたいなので、そこでBIG4全員に関する本が日本語版でそろうことになるわけなんですが、フェデラーが一番遅かったってのは意外。
むしろ最初に出てると思ってた。。。
著者はマレーがアカデミーで寮生活を送っていた時から彼を追ってきたマーク・ホジキンソン、訳者は渡邊玲子さん。
渡邊さんは『ラファエル・ナダル自伝』『ノバク・ジョコビッチ伝』の翻訳もされているのでテニスお好きなんでしょう。
もっと他のテニス本も訳してください(笑)
内容は、マレーがテニスの四大大会(グランドスラム)のうちの一つ、全米オープンで優勝するまでの軌跡を綴ったものです。
兄ジェイミーと練習してきた幼少時代の話や、スペインのアカデミー時代の話に始まり、マレーが4度グランドスラムの決勝の舞台に立ちながらも優勝をなしえなかった苦悩やマレーの周囲の彼に対する評価の変化が描かれていて、第三者の目線でマレーを見てきた著者の経験がふんだんに盛り込まれています。
マレーは出てきたときから英国民に愛され、期待されていた選手だと思っていたのですが、マレーはスコットランド出身であり、かつ10代の時に口にしたイングランドのサッカーチームについてのジョークが受け入れられなかったことが原因で、長い間英国民に支持されていなかったそうです。
まぁ、確かに本書にちょこちょこ紹介されているマレーのジョークは日本人の僕が見ても「???」なところがあります。
ジョークなのかガチなのかわかりづらいんじゃないでしょうか。
にしても、若い時のジョーク一個が原因で本人が気にするレベルに長年支持されないなんて、イギリスは大変ですね。。。
本書のメインはマレーが如何にして全米オープン優勝を果たしたかと、その過程で如何にして英国民と心を通わせていったか、です。
こういうとマレーにとって英国民とわだかまりがいかに大きな問題だったかがわかると思います。
日本だとここまでひどくないだろうなぁ、っていう感じ。
政治家じゃあるまいし、ましてや本人はジョークのつもりなんだし、って思うけど、まぁ発言には気を付けなきゃなーと改めて感じました。
発言といえば、もちろんマレーの十八番(笑)の試合中の自分に対する暴言についても触れられています。
本書はマレーがまだウィンブルドンで優勝する前の本なので、次はウィンブルドンだ!みたいな感じで締められていて少し時代を感じますが、日本で出ているマレーに関する訳本は今のところこれだけなのでマレーが好きな方は是非読んでみるといいと思います。
★本書を読んだ人にオススメの本
マレー本なので他のマレーの本の紹介、といきたいところですが、ないので冒頭でも紹介したナダル、ジョコビッチの本をオススメします。
ジョコビッチの本にはマレーも少し出てくるので、ジョコビッチ側から見たマレーがどんな人物なのかが少し見えると思います。
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