フィギュアスケーター高橋大輔を支えてきた食事パターン 身体を引き締める食べ方 1:1:2
バンクーバーオリンピックの銅メダリストにして羽生君が出てくるまで日本のフィギュアスケート界を引っ張ってきた第一人者、高橋大輔選手がコンディションを整えるために行った食事改善のメソッドをまとめた本。
著者は2009年から高橋選手の食事サポートを行ってきたスポーツ栄養アドバイザーの石川三知さん。
石川さんが高橋選手の食事改善に携わる中で得られた知識や経験を、石川さんが実際に高橋選手に作っていたレシピの紹介を含めながらされていて、アスリートを目指しているわけではなく、ただ運動が好きなだけの自分にとっても非常に参考になった。
栄養学の基本書を読んでいるだけだと栄養素の知識だけついてどういう料理を食べたらいいのかいまいちよくわからないので、食事系の本も読んでいるのだが、アスリートの食事に注目したものはなかなかないのでこの手の本はありがたい。
レシピも割と実現可能なもので、かつギリギリ作れるレベルに手が込んでいる、という結構きわどいラインをついていて助かる。
難しすぎず簡単すぎない体づくり用のレシピ、というのはこれがなかなかない。
例えば『ジョコビッチの生まれ変わる食事』のレシピは食材をそろえるのが大変なものばかりでほとんど作る気になれないし、筋トレムック本に載っているトレーニー用のレシピは簡単すぎるせいか飽きのくる味だったりする。
タイトルの1:1:2、というのは本書での石川さんの主張の肝で、「炭水化物を「1」 たんぱく質を「1」 野菜や海藻、きのこ類を「2」」の比率でとるという食事パターンによって、カラダを引き締めウェイトコントロールができる、というのである。この1:1:2、というのは食材の量(グラム)の比率のことだ。
この比率で食事をすれば、野菜や海藻、きのこ類から炭水化物、たんぱく質を働かせるためのビタミン、ミネラルが十分摂取できるから、食べたものが体内できれいに使われてエネルギーを持て余さなくなる、だから太らない、ということだそう。
この時に気を付けたいのが摂る野菜の種類で、根、茎・葉、実の部分を組み合わせてバランスよくとることが必要だと石川さんは言っている。
一口に野菜といってもその部位によってそれぞれ役割が違うので、それぞれの部位をしっかり食べて野菜の持っている栄養をまんべんなく取ろう、ということだ。
主張がシンプルで、かつ分かりやすいのが本書のいいところだと思う。
食事本によくある「野菜をたくさん摂りましょう!でもただ摂るだけじゃなくて種類が重要です!うんたらかんたら・・・・・・(ここから難しい長い話が始まる)」というパターンになっていないのがいい。
あのパターンだと野菜摂る気にならないのは僕だけだろうか。
多分、石川さんはアスリートにしっかり野菜を簡単にとってもらおうとしてこの食事メソッドに辿り着いたんだと思う。
野菜摂るときは根、茎・葉、実を摂れ、以上!だったら、ビタミンがーとか緑黄色野菜がーとかイモ類は糖質が多いから×でー、みたいなこと気にしなくていいから楽ですよね。
身体絞りたい人は読んでみるといいかもしれない。
★こんな人に読んで欲しい
・体絞りたい人
・食事改善したいけどめんどくさいのは嫌な人
本書の食事メソッドの最大のメリットは「言っていることが簡単なこと」だと思う。
ビタミンがーとか炭水化物をカットしてーとかうだうだ言われるのはめんどい!という方にはオススメの食事改善本だといえる。