読書のはじまり

最近読書はしてますか?読書はしたいけれど、面白い本を探している時間はない。そんな人が、ここで読みたい本を見つけてくれたら嬉しいです

夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神

 

 

 

"「仕事、お金、人間関係、幸せ……人間の悩みなんちゅうのはいつの時代も同じや。そんで本ちゅうのは、これまで地球で生きてきた何億、何十億ちゅう数の人間の悩みを解決するためにずっと昔から作られてきてんねんで。その『本』でも解決でけへん悩みちゅうのは何なん?自分の悩みは地球初の、新種の悩みなん?自分は悩みのガラパゴス諸島なん?」"

〜本書60ページより〜
 
 
 
関西弁であんみつ好きのインド神・ガネーシャが主人公に様々な教えを授け、自分の力で夢を叶える手助けをする物語形式の自己啓発本『夢をかなえるゾウ』の続編。
前作を読んでいなくても話にはついていけるが、読んでいた方が面白い。
 
前作の紹介はこちら↓
 
 
 
今作の主人公「僕」は脱サラしてずっと夢だったお笑い芸人になったものの、全く売れずに芸人生活8年目の34歳になっている。
前作の主人公が、本当は建築の仕事がやりたいけれども、安定した地位、周りの目線といった言い訳をして夢に向かっていない、という「そもそも夢をかなえるための行動をしていなかった人」に対して、今作の主人公は「夢に向かっているけれど、芽が出ていない人」となっている。
 
前作の主人公は建築士を志したのち、エピローグで無事成功した様子が描かれている。
でも、前作を読んだ人の中には、「夢に向かって頑張っていてもかなわない人っているじゃん」と思った人もいるはずだ。
 
本書のストーリーは、そんな人達に向けた1つの解答になっていると思う。
 
 
ガネーシャの無茶苦茶なキャラは健在だが、本書にはガネーシャの他にも貧乏神、死神、そして前作に引き続き釈迦が登場していて、前作以上に賑やかな物語だ。
主人公がガネーシャと組んでお笑いの祭典『ゴッド・オブ・コント』(もちろんキング・オブ・コントのパクリ)に出場し、ガネーシャのキャラ、および変化の術と主人公の腕をいかして優勝を目指す、というストーリーも面白い。
 
 
本書には前作と大きく違うところがある。
前作は、章ごとにガネーシャが出していく課題(ex, 靴を磨く)に主人公が答えていくという形式で、本を読んでいる自分も主人公と一緒になって課題に取り組むことができた。
が、本書はそのような形式をとっておらず、物語の中でガネーシャやその他の神がいいことをいう、という形式になっている。
 
個人的には、前作の形式の方がガネーシャの課題=教え、を実践してみやすかったし、何より主人公に感情移入がしやすかったので前作の形式の方が好きだった。
 
ただ、課題を挟まない物語形式にもいいところはある。それは、課題を主人公に出す必要がないため、物語が進みやすく、かつより面白いものに仕上がっているということだ。
課題を挟まないと、主人公が一見意味のない課題になぜ取り組まなきゃならないのかというくだりや、主人公が課題に取り組んでみてどうだったかをガネーシャと話し合うくだりが必要ないため、ストーリーはスムーズに進む。
 
前作の「物語形式の自己啓発本」という面を気に入った人にとっては本書の形式の方が好きかもしれない。
前作を読んで、もう課題をガネーシャに押し付けられなくても自分で教えを実行できるようになっている読者にはどっちでもいいのかもしれないが。
 
 
 
冒頭に引用した台詞は、ガネーシャが悩む主人公を図書館に連れて行った時に発した台詞だ。
 
僕は、本はいいよ、面白いよ、っていうことを伝えるためにこのブログを書いていることもあって、ガネーシャのこの言葉が凄くいい言葉だなぁと感じたので引用させて頂いた。
 
 
 
 
★こんな人に読んでほしい
 
・前作読んだ人
・夢に向かって行動しているけど、うまくいってない人
 
自己啓発本を読むだけで終わってしまう人については、まず前作を読むべきだ。
前作を読んで前作に書いてあることを実践できなかったのに、自己啓発本として本書を読むのはオススメしない。
上述したように、本書は前作ほど読者に行動させることに重点を置いていない。
 
逆に、このシリーズを物語として楽しんでいる人、前作でガネーシャの課題をこなした人には、物語としての面白さが増している本書はオススメだ。