夢をかなえるゾウ
結構前にベストセラーになった本。
読んだことなかったなぁと思って最近読んでみた。
主人公の「僕」の元に現れたゾウの姿をしたインドの神様・ガネーシャが、僕の「普通の会社員を何となく務めている自分を変えたい」という夢をかなえるために様々なお題を出していき、それにこたえることで僕が少しずつなりたい自分に変わっていくという話。
物語形式の自己啓発本、といってもいいだろう。
神様らしからぬ言動のガネーシャに振り回されつつも、なんだかんだ言いながらガネーシャの出す課題を僕がこなしていき、課題を一つこなすごとに僕がそこから学び、変わっていく過程が面白い。
本書の魅力は何といってもガネーシャのキャラだろう。
確かに神様だし、僕に対して神様であることを証明するために超能力を使ったりもするのだが、本当に神様なのか疑わしいほど発言の説得力がない。
例えば、「食事を腹八分目におさえる」という課題を出しておきながら、自分は腹十二分目まで食べた挙句、「自分は反面教師として食べてるんや!」などといって言い訳までしている。
そしてインドの神様なのになぜか関西弁だし、日本のお菓子のあんみつがお気に入りである。
訳が分からない。
でもこれがいい。
ガネーシャがこのキャラじゃなかったら本書はベストセラーにはならなかったんじゃないかな、というくらいいいキャラをしている。
本書に書いてあることの大半は本書の中でガネーシャが自分でぶっちゃけているように「普通の自己啓発本に書いてあること」である。
自己啓発本を読みながらもそれを何一つ実践できていない僕に、ガネーシャが最初は(ほぼ)無理やりそれを実践させていく。
これは自己啓発本を読んでいるだけで何も実践しない人たちに向けて、「読んでいるだけじゃなくて、書いてあることを実践しないと意味ないよ」というメッセージを送っているのだと思う。
自己啓発本に限らず、やらされなければやる気にならない人が多い、というのは割となんでもそうだと思う。
そうでなければライザップはあんなに流行らない。
ライザップがやっているのは週に数回の運動と、あとは徹底した食事制限なので、正直急激に痩せようとさえしなければ、ダイエット本見ながら自分で実践できるはずである。(それだけ最近のダイエット本はちゃんとしたことが書いてある。)
それができないのは、
・やらされないから
・見張ってくれている人がいないから
であると思う。
本書は、自分を変えたいなら自己啓発本を読むだけじゃなくて行動しなきゃだめだ!という観点から書かれた新しい自己啓発本で、この新しさは刊行から結構たった今でも生きていると思う。
本書の初めのほうにある「本書の使い方」にも書かれているとおり、本書を読みながら自分も「僕」と同じ立場に立ったと思ってガネーシャに与えられた課題をやってみるといいと思う。
自分は課題を実践してみて少し変わった、気がする、ので(笑)
★こんな人に読んで欲しい
・自己啓発本を読みっぱなしの人
・その他なんかの本を読んでも読みっぱなしにする癖のある人
自己啓発ブームで自己啓発本が流行っているが、読んで実践してみている人は少ないと思う。そんな人にこそオススメだ。
ガネーシャの課題を実践してみて、なんにも変わらなければ、自分にとって自己啓発本って意味ないんだな、ということに気付けるだろうし、変われば万々歳、ということになるのでどっちにしろ有意義だと思う。