よくわかる栄養学の基本としくみ
「ジョコビッチのグルテンフリーに感化されて栄養学に興味を持ったから、せっかくだからちょっと本格的に学んでみよう!!」と思い立って基本書として選んでみたのがこの本。
この本を選んだ理由は、昔何かの番組でダルビッシュ有投手がこの本を机の上に置いていたから。
ダルビッシュが読んでるなら結構ちゃんとしてそうだし、読みやすいんだろうな、と思って選んだ。
著者は中谷豊さん。臨床栄養学の先生で、スポーツが趣味だそうである。
本書は一般人のみならず医療系、家政学系の学生も対象として書かれている。
なんとまぁ幅広い層を対象にしていることか・・・
専門系の学生も対象にしていることもあってか、本書の中には専門的な記述も結構出てくる。
正直、これがさっぱりわからない(笑)
「よくわかる」といいつつ、よくわからない記述だ。このあたりの記述は絶対ダルビッシュも訳わかってないと信じている。
が、別にわからなくてもいいと思う。分からないところはわからない、ちゃんちゃんで飛ばして読んだとしても十分なほど、本書には栄養学の知識が詰まっている。
消化の仕組みに始まり、五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)の働き、病気と栄養、運動と栄養、それから栄養に関するウワサの真偽まで、栄養に興味をもつ多くの人が知りたいことを本書は網羅してくれている。
上述の専門的な記述はこのそれぞれにちょこちょこ挟まっているといった感じで、どの部分が専門的な記述、というわけではない。
なので、読んでてわからないところは適宜飛ばす、といった読み方がいいと思う。
読み飛ばした部分も、後々その分野に興味を持ったら読めばいいだろう。
というか、僕は本書についてそんな感じの使い方をしている。
一通り意味わかるところだけ読んで、そのあとは気になったところを調べるために辞書のように使っている。
例えば、新しく流行りだしたスーパーフードがこんな栄養素を含んでいます!とかいって紹介されていたら、その栄養素ってどんな働きがあるのかな、と本書を開く、といった感じだ。
これが結構役に立つ。
テレビや雑誌、といった媒体で紹介されている以上のことが知れて、栄養学に詳しくなれる。
そうやって何度も読み返していくための本だと思う。
栄養学の知識のいいところは、人間はご飯を食べる必要がある以上、絶対に無駄にならないところだと思う。
世の中には状況が変わると不要になってしまう知識や、特定の状況下でしか役に立たない知識があるが、栄養学の知識は絶対に無駄にならない。一日の栄養が全部詰まった万能ゼリーとか売られたとしても僕はご飯食べたいし(笑)
もちろん学会の常識が変われば知識をアップデートしなければならないけど、それはそれで新しいことが知れて楽しいと思う。
そしてなによりなんだかんだ言いつつみんな健康に興味あるから話題の種にもなる(笑)
そんなわけで、一家に一冊食卓のあたりにあってもいいんじゃないかな、と思う本だ。
★こんな人に読んで欲しい
・栄養学に興味のある人
・健康に興味のある人
僕は本書を手にする前に本屋さんで栄養学の基本書をいくつかパラ見してみたのだが、初心者が読む、という観点から言えば本書が一番わかりやすいと思う。栄養学の基本書はなんだかごちゃごちゃしているものや、後半はなぜか主な食材の紹介になっている本だったりと個人的になんかピント来ないものが多かったのだが、本書は構成も見やすく、また知りたいことが載っていてよかった。
ダルビッシュが読んでいただけのことはある。
★本書を読んだ人にオススメの本
正直、本書を読むと他のどんな栄養学の本でも読めてしまうと思う。
実際僕も本書を読んでからは他の栄養学の本を読んで「何言ってんだろう・・・」となったことはない。
なので、本書を一通り読んだ方は自分の興味のある栄養学のジャンルの本を読めばいいのではないかな、と思う。