読書のはじまり

最近読書はしてますか?読書はしたいけれど、面白い本を探している時間はない。そんな人が、ここで読みたい本を見つけてくれたら嬉しいです

錦織圭 リターンゲーム 世界に挑む9387日の軌跡

 

 

”1億100万人ーーそれが、世界全体のテニスの競技人口だといわれている。

この数字は、米国の調査機関、”スポーツ・マーケティングサーベイ”が二年前に発表した調査結果。”競技人口”の定義とは、週に最低1回は、そのスポーツを本格的にプレーする人の数を指す。もっとも、そのような定義を用いても正しい競技人口を割り出すのは困難だが、一つの指標にはなるだろう。なお、同社が同じ定義によって算出したゴルフの競技人口は6110万人。国際野球連盟が発表している野球の競技人口は、3500万人となっている。”

~本書5ページより~

 

テニスの競技人口ってすごいですね。。。

日本の人口とちょっとしか変わらないとは。

野球より多いだろうなってのは世界での野球の人気がイマイチなのを見れば何となく想像はついたけども、野球の三倍いるとは想像してなかった。

 

サッカーをはじめとする他の人気競技の競技人口がどのくらいかはわからないが、先月末にアメリカのスポーツ情報チャンネルのESPNが発表した「世界の有名アスリートランキングトップ100」でフェデラーが5位、ナダルが10位、ジョコビッチが16位、マレーが31位、錦織が47位になっていることからすれば、テニスが他の人気競技と同じくらい競技人口が多く、世界的な人気競技であることは間違いないだろう。

 

日本のエース、錦織圭は今その1億100万人の内、上から6番目につけている。

そして、今なおその頂点を目指して日々挑戦し続けている。

 

本書は、そんな錦織君の頂点を目指す戦いを、彼が生まれた1989年から時系列にそって追いかける作品だ。

日本時代、アカデミー時代の錦織君を詳しく書いた作品は読んだことがなかったので、「強くなってテニス界以外でも名を知られだした錦織圭」以外の錦織君を知れたのは新鮮だった。

 

自分が一番好きなテニス選手、ラファエル・ナダルと錦織君の出会いが自分が思っていたよりも早かったのが驚きだった。

ラファと錦織君の最初の出会いはラファが試合後に錦織君を「彼は将来、間違いなくトップ5に入る」と称した2008年の試合の時だと思っていたのだが、2006年の全仏オープンの時だった。この時、錦織君はラファの練習相手を二日間も務めていたらしい。

知らなかった。。。

 

当時16歳の錦織君をラファが自ら練習相手に指名するということはなさそうだけれども、コーチで叔父のトニー・ナダルの目は既に錦織君の才能を見出していたのではないかな、と思う。

 

テニスの神様ロジャー・フェデラーとの出会いもフェデラーとの初対戦以前らしい。そして、この時も錦織君はフェデラーの練習相手として対面を果たしている。

二人の天才にキャリアのスタート段階で会って、その球を直に受けたことで世界のトップレベルを実感できたことがその後の大躍進に影響しているように感じた。

 

 

 

ちなみに、錦織君がボールを打つときに声を出さないのは、尊敬するフェデラーが声を出さないから、らしい。

”ボールを打つときに声を出さないのかって?出さないよ、フェデラーも出さないでしょ?静かに打つのがカッコイイんじゃんーー。”

~本書298ページより~

 

ラファが打つとき思いっきり吠えてるの、錦織君はあんまり好きじゃないんだなぁ。。。

 

 

 

★こんな人に読んで欲しい

 

・テニスのファン

・テニスで世界を目指してる人

 

日本テニス界の英雄・錦織圭がどのような場所で練習をしてきて、何歳の時にはどのような成果を上げていたのか、というのが一年ごとに活躍をまとめている本書ではよくわかる。

そのため、プロテニス選手になりたい人は本書を読むことで錦織君の歩みを一つの参考にすることができるだろう。

 

テニスファンの人は、単純に楽しい一冊だと思う。最近ランクを上げてきている新進気鋭の若手は昔の錦織君と比べてランクの変動具合はどうなのか、比べてみても面白い。

 

 

 

★本書を読んだ人にオススメの本

 

同じ錦織君についての本で、錦織君をその発言から紐解いた本『ダウン・ザ・ライン』をオススメしたい。

錦織君の発言の意図を知ることができる一冊だ。

 こちらはエッセイなので、忙しい時にも読みやすい。

 

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