読書のはじまり

最近読書はしてますか?読書はしたいけれど、面白い本を探している時間はない。そんな人が、ここで読みたい本を見つけてくれたら嬉しいです

戦国武将の実力 111人の通信簿

 

 

 

みなさん、戦国時代はお好きだろうか?

僕は大好きだ。
 
戦国時代は中国三国志と並んで日本の少年に人気の高い歴史分野だと思う。
僕も御多分に洩れず、戦国時代、三国志が大好きで、小さい頃には信長の野望戦国無双を始めとした歴史ゲームにどっぷりはまっていた。
 
そんな僕のような戦国好き少年が集まると必ず起きるのが、「どの武将が強いか?」議論である。
歴史好きの方はそんな議論に花を咲かせたこともあるのではないだろうか。
 
本書は、そんな戦国武将好きの議論でテーマとなる強い武将ランキングを、日本中世史を専門とされる小和田哲男さんが、歴史的事実に基づき専門家の立場から行った一冊だ。
 
戦国時代好きの方にはここまでの説明で既にワックワクではないだろうか。
僕も本書を手に取った時からルンルンであったし、そのルンルン気分のまま読破させて頂いた。
 
戦国好きの方には間違いない一冊である。
 
 
よくある武将紹介本ではその年の大河の主人公や、信長、秀吉、信玄といった人気武将は多め、その他は少なめのページ構成となっているのが普通だが、本書各武将共に評価の高低に関わらず見開き2ページに人物像がまとめられている。そのため、読みやすい上に低評価の武将であっても高評価の武将同量の情報を見ることができる。
 
登場する武将数も111人と多く、戦国時代に関する書籍を読み漁った方や『信長の野望』シリーズをプレイした方なら知っている武将ばかりであろう。
 
本書を読んでいると、自分の大好きな武将が低い評価を受けていてショックをうける、ということもあると思う。
しかし、安心して欲しい。
本書に登場する武将は数多の戦国武将の中から知名度、実力等で厳選された111人の武将なのである。いわば戦国時代のエリート集団といっても過言ではない。
そんなエリート達の中で低評価をくらっていても、戦国時代全体を通してみれば優秀な武将だ。
そうでなければ本書に取り上げられたりしない。
 
そうはいっても、武田家好きな僕は武田信繁武田信玄の弟)や武田勝頼がイマイチな評価を受けているのを見て、少ししょんぼりしてしまったのだが。
 
 
ひとつ残念だったのは、5つの評価要素に点をふるにあたってどういう事実を考慮しているのかイマイチみえてこないこと。
一部の歴史好きに馴染みが深いと思われる武力、知力、統率、政治、魅力(ゲームのみならず歴史本で武将の評価をする際はこの基準のものが結構ある)以外の評価項目をたてたのだから、どういう事情を考慮したのか、はしがきに書いて欲しかった。文章中からなんとなくはわかるのだが、説明不足感が否めない。
企画力と実行力の違いは結構謎だった。
 
 
 
★こんな人に読んで欲しい
 
・戦国時代、武将好きな人
 
本書はいわば戦国武将好きのために専門家が書き下ろしたファンブックだ。
資料の画像や絵を入れないで文章のみで武将を紹介しているあたり、戦国ブームにのっかって武将好きになった人たちではなく、元々戦国武将が好きだった人たち、というニッチな層に向けて書かれている感があっていい。