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読書のはじまり

最近読書はしてますか?読書はしたいけれど、面白い本を探している時間はない。そんな人が、ここで読みたい本を見つけてくれたら嬉しいです

もの言うキャスター

エッセイ

 

 

NHKの平日21時からのニュース番組、『NHKニュースウォッチ9』の前キャスター、大越健介さんをご存知だろうか。夜ご飯の時間帯にNHKを付けている人、ニュースを見るのはNHK、という方には馴染みのある方だろう。

大柄で、笑顔の素敵なキャスターさんだ。

 

本書は大越さんが『NHKニュースウォッチ9』のキャスターを務める傍ら、毎週水曜日に番組ホームページに『大越健介の現代(いま)をみる』というタイトルで200本以上書き続けてきたコラムの中から68編を選び、それを5つのジャンルに分けてまとめたものである。

 

章の構成は、

第一章 現代をみる

第二章 ひと

第三章 あの日からの日本

第四章 日本と世界

第五章 恥ずかしながら・・・ぼくのことを 

となっていて、第一章、第二章、第四章は当時のニュースについて書いたコラムの中から今につながるテーマを、第三章は東日本大震災にまつわるテーマを、第五章は大越さん自身の話を収録している。

 

読んでいると、こんなこともあったなぁとか、地震の当時はこんなだったなぁなどと過去のニュースを振り返ることができると共に、大越さんはこんなことを考えていたのかとか、取材はこんな感じだったのかと、放送の裏側を垣間見ることもできる。

取材は弾丸日程のものが多く、大越さんも大変そうであるが、それでも同じ場所に間隔を置いて二度三度と足を運んで、取材対象者と真摯に交流を図ることで、より相手の気持ちを汲み取った放送をしようと心がけていたことを感じることができる。

 

過去の出来事に学ぶ、という意味で第一章~第四章は非常に勉強になると思う。

 

第五章はほとんど雑談の域に近い大越さん自身の話である。

大越さんは学生時代東大の投手だったので、そのこともあって野球の話が多い。

第五章はそれまでの章と比べて気軽な感じで読めるだろう。

 

 また、NHKキャスターの先輩にあたる池上彰さんとの対談も収録されている。NHKのキャスターとしてだけでなく、「もの言うキャスター」としても先輩にあたる池上さんとの対談で、キャスターにとって大事なこと、メディアはどうあるべきかを語っていて、こちらも短いながら内容の濃い対談になっている。

 

 

 

余談だが、テレビはネットとの連動が本当に下手だと思う。大越さんがコラムをやっているのを知っていたらちょこちょこ見たと思うのに。番組内でコラムやってます、ということをおっしゃっていた記憶がない。

番組のサブコンテンツみたいのは番組で紹介していくべきだよなぁ、と思ったり。

 

 

 

★こんな人に読んでほしい

 

・大越さんのニュースが好きだった人

・昔のニュースを振り返りたい人

・短く、うまい文章を書きたい人

 

本書は大越さんが書いたコラムまとめたものだが、まぁ文章がうまい。

どのコラムも3~4ページほどであるにもかかわらず、テーマがしっかり伝わってくる上にまとまりがある。秒単位で時間を気にする生放送のキャスターを務めていた大越さんであるからなせる業だと思う。

短い文章で言いたいことをまとめるのをうまくしたい人は、本書から学べることが多いはずだ。

 

 

 

★本書を読んだ方へのオススメ本

 

本書を読む人はきっと普段からNHKを見る方だろう。そこで、同じNHKキャスターの有働由美子さんのエッセイ『ウドウロク』をオススメしたい。

有働さんと大越さんはNHKキャスターという面で共通するものの、担当する番組の時間帯、性別、家庭の有無等様々な面で異なる。

そんな二人のキャスターのエッセイを読み比べてみると面白い。

僕は、二人のキャスターとしての考え方は結構似通っているように思った。

 

bookintroduction.hatenablog.com