ジョコビッチの生まれ変わる食事
”あなたがその気になりさえすれば、自分自身の食事、そして人生そのものをコントロールできる。あとは、やってみるだけだ。”
~本書98ページより~
テニスのATPツアーランキング1位(2016年5月時点)
本書は、そんな彼自身の視点から、
ジョコビッチ監修ではなく、
そのためか、
内容は全体的に素晴らしいのだが、
ジョコビッチがテニスの試合中に原因不明の不調で敗北する場面に始まり、その不調がアレルギーにあることに気付いた、という流れでテニスとグルテンフリーの話をうまく結び付けている。
「ジョコビッチ」「グルテンフリー」
本書を読んで、ジョコビッチが言っているような効果を得たいと思うのだったら、彼の言うようにグルテンフリーを2週間試してみたらいいと思う。
”グルテンを14日間だけやめてみて、どういう気分になるか試してみてほしい。そして15日目に、パンを少しだけ食べて様子をみてほしい。”
~本書98ページより~
幸いなことに、日本はグルテンフリーをやる上で最適な環境だ。
なぜなら日本人は米を食べる文化があり、パンを主食としている西洋人に比べると主食に苦労しなくていいからだ。ジョコビッチもグルテンフリーを始めた当初はパンが食べたくてしょうがなかったらしい。
日本人はパンとご飯と半々くらいだろうから、よほどパンを主食としていない限りジョコビッチほど苦労せずにグルテンフリーに挑戦できるだろう。
本書には一点だけ残念なことがある。
それは、ジョコビッチがグルテンフリーによって大躍進を遂げた、という事実を知っている人の大多数の疑問であろう、「お前、それなんで今まで気づかなかったの???」という点については、本書は明示的な解答を示していないということだ。
いろいろ試したけどわかんなくて苦悩してた時に自分の試合を見ていた医者が気づいた、といった感じのことしか書いていない。
そこで僕なりに考えてみた。
僕なりの理由は二つ。
一点目は、ジョコビッチはセリアック症ではなく、グルテン不耐症だったということ。
何が違うんだよ、と思う人も多いと思うが、セリアック症はグルテンを全く受け付けることのできないアレルギーで、グルテンを少量摂取しただけで深刻な症状を引き起こすれっきとした病気である。これに対し、グルテン不耐症は小麦製品に対する過敏症状で、その症状も人によって差がある上、発症するのも食べてから数時間後である。
そのため、テニスの試合中に不調が起きたとき、それがまさかグルテンのせいだとは思わなかったのではないだろうか。
もう一点は、ジョコビッチがテニスというハードなスポーツの選手だったこと。
テニスの試合は2セット先取の試合であっても2時間、3セット先取のグランドスラムであれば6時間(過去にナダルとジョコビッチは全豪オープン決勝で5時間53分(グランドスラム最長)の試合を戦っている)もの間ほとんど動き続ける。しかも、そんな試合が大会中は一日おき、もしくは毎日行われる。
そんな中で不調をきたせば、その不調は食事のせいではなく、自分の体調管理が原因なのではないかと疑うのが普通だと思う。
グルテン不耐症にずっと気付かなかった理由についてジョコビッチなりの結論がでたら、是非ともどこかのタイミングで説明してほしいなぁ、というのが1テニスファンとしての思いだ。
★こんな人に読んで欲しい
・グルテンフリーに興味がある人
・アレルギー(グルテン不耐症以外)のある人
・痩せたい人
・人生を変えたい人
・体調良くしたい人
上記の効果はすべてジョコビッチがグルテンフリーによって実際に実感しているものである。流石に人生変わるは言いすぎな気もするが、ジョコビッチは実際に世界王者になってしまったのだから人生変わっているといってもあながち過言ではないかもしれない。
グルテンフリーによるポジティブな効果を得たい人は、是非本書を入門書として読んで欲しい。