読書のはじまり

最近読書はしてますか?読書はしたいけれど、面白い本を探している時間はない。そんな人が、ここで読みたい本を見つけてくれたら嬉しいです

13歳のハローワーク

"わたしたちは、自分の好奇心を満たしてくれるものには飽きないし、いくらでも集中できます。いくらでも集中できて、飽きない、というのが、その人に「向いていること」です。"

〜本書4ページより〜

 

 

 

本書は基本的には旧版『13歳のハローワーク』と同じ内容で、こちらのほうが紹介されている職業の数が増えているだけである。 なので、「新」とついてはいるが、『13歳のハローワーク』の改訂版だと思ってもらえれば問題ない。

本書の旧版『13歳のハローワーク』が出版されたのは2003年。 発売後瞬く間にベストセラーとなり、図書館の蔵書に採用した学校も多かったそうだ。 そんなブームが起きたころ、当時ちょうど13歳くらいだった僕は親に『13歳のハローワーク』を買って貰い(というか、読みなさいと渡された)読んだ記憶がある。

そして当時は、本書を単なる職業紹介本だと思い、「世の中にはいろんな仕事があるんだなぁ」と思って読んでいた。

 

しかし最近、本書を改めて読み直す機会があったので読んでみたところ、職業紹介本というのは本書の一面的な部分でしかない、と感じた。本書は子供に「世の中にはこんなにいろんな種類の仕事があるんだよ」と、職業を紹介するための本なのではなく、自分の好奇心=好きを磨いて、それを入り口として自分に向いている仕事を見つけよう、という提案をしている本なのだ。

 

だから、本書の目次は「○○が好き」という好奇心基準の振り分けになっているのだろうし、「何も好きなことがない」と思っている人のための特別編の章もあるのだと思う。

 

これは、好きなことを突き詰めて、遊びを仕事にしよう、と言っている堀江貴文の考え方に通じるものがあるように思う。

堀江さんが最近になってメッセージとして伝えだしたのと似たようなことを村上さんは2003年の時点から提示していて、すごいなぁと感じる。

 

ただ、二人の考え方は似ているようで微妙に違っていて、例えば村上さんは本書の中で趣味は仕事に結びつかないし、リタイアした老人のものだから若者の趣味が盛んになるのはよくない、みたいなことを書いているが、堀江さんは遊びを仕事にする、というスタンスなので趣味を否定していない。 というか、堀江さんの場合は遊びは突き詰めれば仕事になるというスタンスなので、趣味と仕事の境がないような感じの考えなのだろう。

 

このように、村上さんと堀江さんの仕事に関する考え方の違いを比較してみるのも面白い。 旧版の発売からは早13年、新版の発売からは6年たっているものの、本書は色あせることなく、働き方を提示し続けている名著だと思う。 これから仕事につく世代だけでなく、すでに働いている世代が読んでも面白い一冊だと感じた。

 

 

★こんな人に読んでほしい

 

・やりたいことがない人

・将来悩んでる人

・自分好きなことを仕事にしたい人

 

本書は、誰にでもその人に向いた仕事、ぴったりな仕事はあるのだからみんなにそれを見つけて欲しい、という思いから書かれた本である。そして、村上さんはその仕事は好奇心の先にあると考えていて、好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみようよ、という提案をしている。

メインターゲットはタイトルにもある通り13歳の世代だが、どの年代が読んでも満足できるないような作りになっているため、上記に当てはまる人には世代に関わらず、本書を読んでほしいと思う。

 

 

★本書を読んだ方へのオススメ本

 

紹介部分でも書いたが、村上さんと似ていて異なる仕事観を持つ堀江貴文さんの著書を読んで、二人を対比してみると面白い。 そこで、本書を読んだ方には、堀江さんが自分の行っている事業の近況を踏まえながら仕事観を語っているムック本『堀江貴文という生き方』をおススメしたい。